私は西淀川訴訟については少し話を聞いていましたし、また学校の授業などでも大気汚染の大変さについては教わっていましたが、被害者の方々のお話を聞かせていただくことで、私の知っていたことなど、ほんの「うわずみ」でしかなかったのだと思いました。 何人の人々が病気に苦しんだり、青空など見えず赤や黄色の煤塵が当たり一面に漂っていたことと…それを知ることも大切なことかも知れませんが、それ以上に人々が受けたたくさんの苦しみ―人間としての幸せや健康な生活をもつことさえできなかったこと、子どもに対する罪悪感、死すら考えてしまうぐらいに追い詰められてしまう気持ち―このような話は被害者の方々でないと話すことも出来ないし、また実際に聞かないと分からないことであるし、最も大切にされるべきものだと思います。 私は将来、小学校教師になりたいと思っています。 子どもたちには「環境問題」のメカニズムだけでなく、その奥にある人々の生活や苦しみ、「子どもたちには絶対に良い環境を残したい」と尽力された人々の思いを十分に受け止めてもらいたい、そんな人間を育てたい、と思っています。私自身もそんな人間になりたい。 |
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