(1) 昨年総会の議案書に,それまでの和解の経過をつぎのとおりに報告した。
「2002年3月25日の確認書調印は,薬害ヤコブ病被害者の早期全面救済に途を開くものであった。
しかし,東京地裁においては,主として加害企業の頑強な抵抗のために,和解救済は遅々としてすすまなかった。確認書調印以降,2002年末までに和解が成立した被害者は,わずかに2名にすぎなかった。30名以上の被害者が未和解のまま残された。
2003年にはいってから,ややペースがあがり,3月までに4名の和解が成立し,この1年間の和解成立は6名となった。それでもまだまだ,早期全面解決の実現には,ほど遠い状況がつづいている。
弁護団は,早期全面解決を文字どおり実現するために,いっそうの奮闘をする決意である。」
(2) しかし,その後,弁護団の奮闘の結果,和解成立のペースはやや上昇傾向をみせている。
確認書調印時からの和解成立の経過は,つぎのとおりである。
2002年 3月25日 | 被害者9名について和解成立 |
同年 10月15日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 12月16日 | 被害者1名について和解成立 |
2003年 1月24日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 2月21日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 3月 4日 | 被害者2名について和解成立 |
同年 3月28日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 6月27日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 7月14日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 7月24日 | 被害者1名について和解成立 |
同年 9月12日 | 被害者2名について和解成立 |
同年 10月31日 | 被害者3名について和解成立 |
同年 12月12日 | 被害者2名について和解成立 |
2004年 2月16日 | 被害者1名について和解成立 |
東京地裁に提訴済みの被害者の数は52名である。ようやく提訴済み被害者の過半にまで,和解が達したことになる。
また,未提訴被害者の発掘についても,確認書調印後,とりわけ良心的な医師の協力をえて,かなりの数の被害者の発掘ができたと考えられる(もちろん完全ではないし,今後の発症も否定できない)。
ひきつづき,未和解の被害者の和解救済,未提訴被害者の発掘に努力し,早期全面解決の実現に全力を尽くす所存である。