(2) 本件口頭弁論終結までに岐阜県が支出した平成15年3月までの本件負担金については,支出が終わっている以上,その支出の差止めを求める訴えの利益はない。
本件負担金の支出は,平成43年3月をもって終了する予定であり,平成43年4月以降,本件負担金の支出等がされることは相当の確実さをもって予測することができないから,平成43年4月以降の支出分については差止めの対象にならない。
2 住民訴訟の前提として,原告らは法定の期間内(地方自治法242条2項)に
住民監査請求をすべきところ,原告らが岐阜県監査委員に対してした住民監査請求のうち,平成2年6月から平成9年12月までの本件負担金の支出に関する部分は,
監査請求期間を経過してからされたものであり,かつ,監査請求期間を経過してしまったことについて正当な理由(同項但書)は存在しない。
3(1) 水資源開発公団の岐阜県に対する本件負担金の納付通知書は,著しく合理性を欠き,岐阜県の予算執行の適正確保の見地から看過し得ない瑕疵があるとはいえない。
(2) [1]将来にわあって工業出荷額の伸びが見込まれないと断定することはできないこと,[2]水資源開発は,長期的・先行的な視点から行う必要があること,[3]岐阜県が平成6年3月に作成した水需要予測「岐阜県水資源長期受給計画」は,予測の方法自体が合理的で,過去の水需要実績等をも総合考慮すると,水需要予測に合理性がないとはいえない。したがって,これに基づいて岐阜県知事が合理性がないとはいえない。したがって,これに基づいて岐阜県知事が平成10年にした費用負担同意はその裁量の範囲を逸脱するものではない。
4 岐阜県が一般会計から本件負担金を支出していることは,地方財政法6条,地方公営企業法17条に違反しない。