これまで財団が開発してきた教材の活用について検討を行うとともに、地域の小学校の「総合的な学習の時間」における、八間川を素材とした環境学習への協力を行った。その中で、環境教育を行うにあたっての現場での問題点等について教師との懇談を行い、今後も意見交換をしながら進めていくこととした。
2) 環境講座「地球学校」を開催した。これは、1999(平成11)年に第1回目を開催したシンポジウムを引き継ぐかたちで、水島地域から環境問題を考えていこうという市民向けの講座である。2004(平成16)年度は、「海」をテーマに8月から月1回のペースで行っている。生物学、写真家など様々な分野の専門家を講師に迎え、多様な視点から地域の環境問題について考えた。
また、「平成16年度 地球環境市民大学校 環境NGOと市民の集い」(主催:独立行政法人 環境再生保全機構)の開催にあたり、財団は事務局として運営に協力した。「集い」の中では、中・四国の環境NGOとの活動交流を行い、子どもたちの感性が環境を守る鍵になるという「センス・オブ・ワンダー」(レイチェル=カーソン著)をもとにした映画上映会やスライドショー、講演会を行った。
5.基本広報活動
財団の活動報告やイベント紹介、地域の情報発信を目的とした広報紙「みずしま財団たより」を隔月(奇数月)で発行した。また、地元ラジオ局が放送している環境番組の中で、毎月1回財団の活動報告、イベント案内等を行っている。その他には、ホームページを整備、充実させることで情報発信の拡大をはかっている。
これまで関わってきた地域の他の団体との一層の情報、活動面での交流をはかるとともに、メーリングリスト等を活用したネットワークへの参加、情報交換によって各分野での取り組みにおける協働を進めた。
6.今後の展望
財団は今年で設立5周年を迎えるが、これまでの手探り・試行錯誤の活動による、いわゆる「立ち上げ期」から地域再生の取り組みを軌道に乗せていくための「成長期」に向けて中・長期的な活動を視野に入れた事業計画の見直しが必要である。これまでの活動の見直しを行うとともに、その中で得られた成果・反省点を踏まえ、さらなる発展を目指していかねばならない。水島地域再生に向けて「マスタープラン」づくりを進め、活動に携わる全員の共通認識とし、その目標実現を念頭に財団としての中・長期事業計画を策定しつつある。計画の策定に当たっては、財団の「強み」と「弱み」を把握し、これまでに蓄積してきた経験を活かしていくことが重要である。今後も地域環境の再生という目標を達成するため、全国公害弁護団連絡会議に所属される先生方にもぜひご意見を賜りたく、ますますご指導、ご鞭撻を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。