国民のみなさん
公害の根絶と被害者の救済を求める全国公害被害者総行動は,今年で第33回を迎えました。
公害被害者は,「公害根絶と平和を求めて!」のスローガンのもとに,弁護士,学者そして支援者と互いに連帯して,四大公害訴訟をはじめとする多くの公害事件に取り組み,大きな成果を獲得してきました。
東京大気汚染裁判では,昨年8月8日,川崎市に続いて東京都にも医療費救済制度を作らせるとともに,公害防止策や協議機関の設置など多くの目標を達成する勝利和解を勝ち取りました。これからは,千葉・西淀川・川崎・倉敷・尼崎・名古屋南部などの全国の大気汚染の患者達とともに,PM2.5の環境基準の創設など,勝利和解の内容を実現していくことが求められています。
国民のみなさん
今,私達のたたかいは,多くの課題に直面しています。
ノーモア・ミナマタ訴訟では,水俣病の被害救済を求めて,1496名の原告が提訴しています。与党プロジェクトチームのまやかしの解決案や加害企業チッソの時効主張を打破して,真の解決を図るために,現在日本列島縦断キャラバンを実施中です。
スモン・ヤコブに続いて,新たな薬害である抗ガン剤のイレッサ訴訟では,既に700名以上の患者が副作用によって亡くなっています。1日も早く訴訟に勝利し,イレッサの承認の見直しをさせなければなりません。
戦争こそ最大の環境破壊です。基地の島沖縄では,米軍の嘉手納基地や普天間基地周辺の住民による騒音公害訴訟が判決を迎えようとしています。その他の基地でも騒音公害が続く限り,新たな訴訟や運動が始まっています。
無駄で有害な大型公共事業に反対するたたかいでは,昨年ついに利水計画を休止に追い込んだ川辺川ダムとともに,よみがえれ!有明海訴訟では,潮受堤防を開門させて宝の海を取り戻すため,また,いよいよ高尾山にトンネルを掘り始めた天狗裁判では,水涸れや崩壊から高尾山の豊かな自然生態系を守るため,粘り強く運動しています。
国民のみなさん
世界中で異常気象や災害が続き,気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は,地球温暖化が待ったなしの状況にあると報告しており,7月の洞爺湖サミットでも最重要課題となっています。この地球温暖化も,公害を引き起こした大量生産,大量消費,大量廃棄社会がもたらした問題です。米国,中国,インド等に京都議定書を締結するように働きかけることは勿論ですが,先ずは我が国において無駄な公共事業,必要のない道路建設,石炭火力発電所の新増設などを止めさせ,京都議定書の削減目標を達成させ,中期削減目標を決定し,産業界への総量削減の義務化などの政策転換を実施させることが必要です。
私たち参加者は,平和を守り,次の世代に美しい山を,川を,海を,きれいな空気を引き継ぎ,かけがえのない地球を守ることをここに決意し,参加者全員のアピールとします。
第33回全国公害被害者総行動デー・総決起集会