国際交流基金

公害弁連「国際交流基金」カンパのご報告とお礼
国際交流基金 事務局長 弁護士 松浦信平
(公害弁連ニュース141号より)



 2003年11月発行の「公害弁連ニュース」(第139号)でお願いを申し上げた「公害弁連国際交流基金」には、短い期間にもかかわらず、8団体、39名の方々から、総額123万(2004年5月10日現在)もの貴重なカンパが寄せられました。本当にありがとうございました。
 昨年度の公害弁連の国際交流活動を振り返りますと、2003年4月に、ソウルで大気汚染訴訟を計画する韓国の弁護士らが、東京大気汚染訴訟弁護団からの情報収集を目的に来日しました。日韓の交流は、相互理解を超え、実務交流へと深化しています。2003年9月に開かれた日本環境会議滋賀大会の際に持たれた「日中韓の公害被害者救済に関する懇談会」、2004年3月に熊本で開かれた「第2回環境紛争処理国際ワークショップ」等の機会にも、中国、韓国から公害、環境問題に取り組む多くの法律家が来日し、国際交流はますます深まりと広がりを見せています。毎年夏に「日本の公害、環境訴訟」をテーマに実施される韓国司法修習生の日本での研修も、公害弁連のみなさまのご協力により、たいへん充実したものとなっています。
 みなさまからのカンパでつくられた「国際交流基金」については、幹事会での討論と承認を経つつ、これからますます活発化する国際交流活動に使わせていただきます。
 なお、基金についてはリスクを伴う運用は予定しておりません。大切に使わせていただくのはもちろんですが、活発な国際交流活動を展開すればするほど、基金は目減りする関係にあります。将来的には再度のご協力のお願いを差し上げることもあろうかと思います。
 また、基金へのカンパは今後も随時受け付けておりますので、「うっかり忘れていた」という方がいらっしゃいましたら、ぜひともご協力をお願い申し上げます。

カンパのお振込先郵便局振替口座
口座番号 00150―5―721690
口座名称 松浦信平




公害弁連「国際交流基金」へのカンパのお願い
代表幹事 近藤忠孝
(公害弁連ニュース139号より)



 ご承知のように、近年、公害弁連では国際交流の取り組みを強めています。お隣の韓国との間では、1990年代後半から、公害弁連の弁護士による韓国の環境保護NGO訪問、韓国の弁護士の公害弁連総会への参加、韓国の司法修習生の日本での社会研修の受け入れ等がはじまりました。こうした積み重ねの上に、昨年8月には、公害弁連が主催団体のひとつとなり、ソウルで「日韓公害・環境訴訟シンポジウム」を開きました。シンポジウムには日本から30名が参加し、充実した討論を通し、相互の信頼を一層深めました。シンポジウムを契機に、その後韓国ではソウルで大気汚染訴訟を提起することが検討され、今年4月には、韓国から弁護士らが来日して東京大気汚染訴訟弁護団と実務的な情報交換を行う動きも生まれています。また、今年7月にも、韓国から7名の司法修習生が来日し、約2週間にわたり日本の公害訴訟についての研修を行いました。
 韓国以外では、昨年11月に中国で開かれた中華全国律師(弁護士)協会・国家法官(裁判官)学院・中国政法大学が共催する「環境法セミナー」に、公害弁連の弁護士が招待されました。セミナーでは特別講義「日本の公害裁判」が企画され、中国全土から集まった120名以上の裁判官と弁護士から、日本の公害被害救済の取り組みへの熱い関心が寄せられました。
 さらに、この9月に開かれた日本環境会議滋賀大会に日中韓の弁護士らが結集した機会を生かし、公害弁連が主催して「中韓日の公害被害者救済に関する懇談会」を開催し、国際連帯をさらに強めていく意志を確認しあいました。
 アジア・太平洋戦争とその後の経済進出を通し、日本は、アジア各国の政治、経済、社会の健全な発展を阻害し、環境破壊、公害被害の発生を助長してきました。公害弁連では、単なる地球村の一員としてのみならず、かかる歴史を踏まえた責任のありかたとして、今後とも、国際交流活動を拡げ、深めていきたいと思います。
 ところで国際交流活動には、渡航費、通訳・翻訳費等、国内活動とは異なる出費が伴います。これらの出費につき、これまでは、交流活動に携わる個人が基本的に出費してきました。これからも、渡航費、滞在費等については交流行事に参加する個人の自己負担を原則としつつ、例えば外国からの来訪者がある場合の通訳費、日常的な情報交換に伴う通訳、翻訳費等については、公害弁連としても適切な範囲で負担できる財政的基礎を整えたいと思います。このため、幹事会で討議の上、みなさまにカンパを募って公害弁連内に「国際交流基金」を発足させる運びとなりました。
 どうかこの趣旨をご理解いただき、ご協力下さるようお願い申し上げます。


国際交流基金の概要
基金の目的公害弁連が行う(または幹事会で支援を決定する)国際交流活動の活動資金の調達
カンパ依頼額1口1万円。1口以上の任意の口数。
役 員理事長近藤忠孝
理 事内田茂雄/斎藤一好/千場茂勝/花田啓一/加藤満生/
豊田 誠/榎本信行/中島 晃/馬奈木昭雄/吉野高幸
事務局長松浦信平
カンパのお振込先郵便局振替口座
口座番号 00150―5―721690
口座名称 松浦信平



上記のカンパ依頼に関するお問い合わせは公害弁連事務局までお願いいたします。