【韓国司法修習生日本研修感想文】
感想文4

金智惠(キムジヘ)

 日本に専門機関研修として行く前までは9泊10日の日程が長く感じられた。5件の環境訴訟関連の講義は私に多くのことを教えてくれたし,日本での生活は私に日本という国がもっと身近に近寄ってきた。
 5件の環境訴訟関連の講義を聞きながら多くのことを思うようになったが,それを大きく4つに整理することができる。1つ目に,日本の弁護士が熱情を持って積極的に環境訴訟に勤める姿はとても印象的であったことである。今後私が環境訴訟に参加するようになったらどのような心構えと姿勢で努めるべきかを考えてみる契機になった。
 2つ目に,日本では若い弁護士に体系的な経験を積ませ,長時間を要する環境訴訟のための人材を育てていることである。その点は韓国より進んでいるようで羨ましかったし,韓国も早くこのような体系を整うべきであると思った。
 3つ目に,環境訴訟はどの国でも決してやさしい訴訟ではないことである。日本国内での環境に対する関心は韓国より多く,日本の弁護士が関心と熱情を持って私費で訴訟を行うのを見て,環境訴訟は収益が上がらない上に難しい訴訟ではあるが,それだけの働き甲斐があり,弁護士として当然しなければならない公益活動の1つと思うようになった。
 4つ目に,環境訴訟を行うためには多様な論拠の準備が必要であることである。
 例えば,有明訴訟のような類型の訴訟を行う場合には環境保全をしなければならないという理想的な論理だけでなく,政府が推進する事業の合理性と実効性に問題があると正確な資料に基づいて提示しなければならないことを改めて思ったし,そういうときに一般大衆から多くの支持を得ることができると思った。
 日本での10日間という短い期間に環境訴訟講義以外にも様々な経験を通じて多くのことを学ぶことができたのは私にとって幸運であった。そして,韓国司法修習生を温かく受け入れてくださった上に,講義に情熱を注いでくださった弁護士に真心を込めて感謝し,現在行っている訴訟が必ず勝訴することを祈っている。

(このページの先頭に戻る)