【第26回日本環境会議 水島大会】
日本環境会議(JEC)発足30周年に向けて

JEC事務局長・一橋大学教授
寺西俊一

 去る2008年9月20日(土)・21日(日)・22日(月)の3日間にわたって、倉敷芸術科学大学を会場に「第26回日本環境会議水島大会」が開催された。この大会では、「環境再生と健康なまちづくり」をテーマとした全体会と3つの分科会((1)「大気汚染の改善と被害者救済をめざして」、(2)「臨海部の地域環境再生―海と地域づくり―」、(3)「公害経験と環境再生―そのアジアへの発信」)が行われ、地元および全国各地からの参加者、そして韓国とマレーシアからの招聘者を含めて、延べ約500名が参集し、「環境再生と健康なまちづくりをめざす水島宣言」が採択され、成功裏に閉幕した。
 この大会での主な議論の内容については、日本環境会議(JEC)の準機関誌である『環境と公害』第29巻第三号(岩波書店、2009年1月25日発行)の特集として収録される予定なので、そちらを参照していただきたい。
 さて、日本環境会議(JEC)は1979年6月に発足して以来、来年(2009年)でちょうど30周年という重要な歴史的節目を迎える。これを受けて、来年11月22日(日)・23日(月)に予定している「第27回日本環境会議尼崎大会」は「JEC30周年記念大会」としての位置づけで開催されることになる。また、この記念大会の日程に連続させて、その直前の11月20日(金)・21日(土)には、「第九回アジア・太平洋NGO環境会議」(APNEC−9)を京都で開催する準備も進めている。公害弁連の関係者各位には、ぜひ、この重要な二つの会議への積極的なご参加と、その成功に向けた取り組みへの多大なご支援・ご協力をお願いしたい。
 もともと日本環境会議(JEC)は、1960年代から1970年代にかけての日本の激しい公害被害の救済とその抜本的な解決をめざしてきた学際的な研究者グループである「公害研究委員会」(故都留重人代表)の呼びかけに応じて、一連の公害裁判に献身的に取り組んできた「全国公害弁護団連絡会議」(公弁連)が全面的に賛同し、また日本弁護士連合会(日弁連)も後援する形で、1979年6月8日・9日に開催された「第1回日本環境会議」(於・東京)がその出発点となっている。その後、1991年11月からは会員制の組織に移行したが、この間、発足当初から掲げてきた3つの性格((1)開かれた「学会」、(2)学際的な「学会」、(3)提言する「学会」)を重視し、国内的にみても国際的にみても、きわめてユニークな組織としての発展を遂げ、今日に至っている。2008年11月現在、約400名余の会員を擁しているが、その顔ぶれは、学際的な各分野の研究者や専門家、弁護士、医師、ジャーナリスト、公害被害者団体や各種NGO・市民運動等のリーダー、一般市民、大学院生・学生などを含めて、きわめて多彩な陣容となっている。今後、来年11月に予定している尼崎での「JEC30周年記念大会」に向けて、さらに新たな発展と飛躍をめざしていきたいと考えている。
 最後に、今回、この「公害弁連ニュース」への寄稿という貴重なチャンスをいただいたので、とくに公害弁連の関係者各位で、まだ日本環境会議(JEC)の会員になっていただけてない方々がおられるならば、ぜひともこの機会に、積極的にJEC会員となってくださるよう、心からお願い申し上げる次第である(なお、JEC会員への登録については、JECのホームページ:http://www.einap.org/jec/ をご参照ください)。
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