公害弁連第38回総会議案書
2009.3.29  東京
【6】 公害関係資料
〔諫早湾関係〕
−弁護団声明−

韓国水環境大賞ガイア賞を受賞して

2008年11月13日
よみがえれ!有明訴訟弁護団

 昨日11月12日、当弁護団は、韓国環境府、韓国環境運動連合(KFEM)、SBS放送の共催による水環境大賞の国際部門賞であるガイア賞を受賞しました。華やかな授賞式の模様は、1時間半にわたり、生中継で韓国全土に放映されました。
 この賞は、水と水辺環境を保全することの大切さを訴え、その取り組みを前進させることを目的として、その先進的な取り組みをした団体・個人を表彰するもので、今日、水と水辺環境の保全が国際的な関心を呼び起こしていることから、国際部門賞のガイア賞が設置されたようです。
 当弁護団は、諫早湾干拓事業によって破壊された我が国有数の重要な自然環境である有明海の自然を再生させようと、漁民、市民、研究者のみなさんとともに活動し、自らの専門分野である訴訟の場において、これを実現しようとしてきました。その結果、本年6月27日には、佐賀地方裁判所において、開門を命じる画期的な判決を勝ち取ることに成功しました。
 今回の受賞は、破壊された自然環境をその原因となる事業終了後も粘り強く戦い、成果を生み出した取り組みが、セマングム干拓事業をはじめ同じような状況を抱えた韓国社会から高く評価された結果です。
 いうまでもなく、佐賀地方裁判所における勝訴をはじめ、この間の当弁護団の取り組みは、漁民、市民、研究者との密接な連携の上で行われてきたものであり、今回の当弁護団の受賞は、当弁護団のみならず、有明海の再生を目指す全ての団体・個人の活動が国際的に評価されたものに他なりません。
 また、今回の受賞は、諫早湾干拓事業が、世界の人々の目から見ても道理のないものであることや、破壊された有明海をよみがえらせる取り組みに世界の期待が集まっていることを、改めて明らかにしました。
 今回の受賞を機に、当弁護団は、これまで以上に、心ある多くの漁民、市民、研究者と協力し合い、有明海をよみがえらせるまで全力を傾ける所存です。
 有明海再生に向けた差し迫った当面の課題は、潮受堤防排水門の開門を実現することです。
 世界が注目する有明海再生の第一歩となる開門の実現に向け、多くの皆様方が、それぞれの力は発揮していただくことを、改めて、今回の受賞に際して訴えさせていただきます。
有明海がよみがえる日まで、ともに力を合わせて頑張りましょう。
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