【高尾山天狗裁判関係】
2005年5月31日
声 明
高尾山天狗裁判原告団 団長 吉山 寛 |
高尾山天狗裁判弁護団 団長 鈴木堯博 |
東京地方裁判所民事38部(菅野博之裁判長)は本日、圏央道八王子地域の事業認定及び収用裁決取消請求裁判において、原告らの請求を退ける判決を言渡しました。
この判決は、昨年4月22日に東京地方裁判所民事3部(藤山雅行裁判長)が圏央道あきる野地域の事業認定及び収用裁決取消請求訴訟において事業認定及び収用裁決が違法であるとして取消した判決の優れた判断と理論を否定し、時代の要請に逆行するものであって、到底承服できません。
私たちは、本裁判の審理において、圏央道が高尾山や八王子城跡の世界遺産に匹敵する貴重な自然環境を破壊するものであることを明らかにし、オオタカの営巣放棄や地下水脈の破壊の事実を指摘し、裏高尾地域での騒音被害や大気汚染の被害発生を科学的に立証しました。また、圏央道は、都心の渋滞解消や多摩地域の交通渋滞の解消と経済の発展に必要であるとの国土交通省の主張が虚偽であり、公共性が認められないことを証拠により明らかにしました。
それにもかかわらず、裁判所が事業認定及び収用裁決を認める不当な判決を下したのは、司法の行政に対するチェック機能を果たさず、国土交通省の主張する圏央道の公共性・公益性を無批判的に採用した結果であって、行政に追随したものであるといわざるを得ません。
私たちは、圏央道事業計画が明らかとなった1984年以降21年に及ぶ圏央道反対運動と、3年にわたる本裁判の審理を通じて、圏央道建設事業が、未来の人々に遺すべき貴重な自然環境を取り返しのつかないほどに破壊するものであるばかりか、巨額な税金の無駄使いであることを強く訴えてきました。最近の橋梁工事入札談合事件も、そのような違法談合を放置してきた被告らの税金無駄使いの体質を端的に示すものです。
私たちの訴えは、いま多くの国民の支持を受けています。最近著名人多数の賛同を得て3大新聞紙上に圏央道工事により高尾山が危機に瀕しているという意見広告を出したところ、高尾山の貴重な自然を護れという声が大きく広がっています。 私たちは、今回の不当な判決に対して控訴し、控訴審で本判決の誤りを徹底的に正していくとともに、都民のオアシスになっている高尾山のかけがえのない自然環境を護るために、広範な国民世論に依拠して、今後もこの運動をさらに大きく盛り上げ、高尾山トンネル工事を中止させるよう全力を尽くす決意を表明いたします。
以上