公害弁連第35回総会議案書
2006.3.18  大阪
【川辺川ダム土地収用関係】

声    明

2005(平成17)年9月15日

権利を主張する者  毛 利  正 二 外
上記代理人弁護士  板  井   優 外

 国土交通大臣起業「1級河川球磨川水系川辺川ダム建設工事及びこれに伴う付帯工事」に係る土地収用案件(熊収13第9,第10案件)について,熊本県収用委員会は,8月29日,国土交通省に対し,9月22日までに取下げをするよう勧告していたところ,国土交通省は,本日,上記勧告に従って,本件収用申請の取下げを決定した。
 私たちは,上記勧告ひいては法に従った今回の国土交通省の決断を高く評価し,これを歓迎するものである。
 私たちは,今後,地域住民の意向に従った利水,治水計画が策定されることを強く望むとともに,これに向けて私たちもでき得る限り協力していく所存である。
 なお,今回の収用申請取下げに当たって,ダム利水,ダム治水を前提とするような条件設定がされるようなことはあってはならない。事業の公益性や費用対効果の観点のほか,川辺川流域の環境問題等にも十分に配慮した対策が講じられるべきは勿論であるからである。
 最後に,上記の趣旨に従った,利水,治水対策が一日も早く実現されるよう国に強く要望して,私たちの声明とする。
以上